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てんかんと脳波のオープンキャンパス:脳神経内科のてんかん

神経内科、てんかん内科、脳機能について学んでいきます

側頭葉てんかん:検査でスルーされてしまう可能性のある記憶障害

「側頭葉てんかん患者が訴える記憶障害の背後には、検査では引っかからない真の記憶障害が隠れている」



Hidden Objective Memory Deficits Behind Subjective Memory Complaints in Patients With Temporal Lobe Epilepsy
というタイトルの論文で、Neurologyからの報告です。




主観的な初期記憶の訴えがあ流ものの、客観的なルーチン検査では異常を認めない場合があります。つまり、その物忘れは気のせいではないか?と判断されるようなケースですね。





側頭葉てんかん(TLE)は様々な表現型を持ちます。物忘れについても短期間の物忘れもあれば、長期的な健忘というものもあります。ですが、実際の臨床では長期間の記憶を評価することはあまりありません。つまり見過ごされている可能性があるのです。





研究対象:
側頭葉てんかん(TLE)患者47名で、内訳は
海馬硬化症12名
扁桃体腫大12名
広範囲病変11名MRI陰性12名



対象は、「記憶力を自覚的に訴えるが、標準的な神経心理評価では20分遅延しても記憶障害を認めない」症例です。
つまりルーチン検査では正常な記憶力と判断されるTLE患者になります。


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3週間後に2回の抜き打ち記憶テストを実施し, 35人の健常対照者と比較しています。





結果ですが、3週間後、患者におけるFCSRTおよびEpirealのスコアは、対照群に比べて有意に低い結果でした。また病変の有無や種類、抗けいれん薬への反応性などにかかわらず、これらの超長期的な記憶検査のうち少なくとも1つで低下していました。





つまり、長期記憶の評価は、てんかん症候群にかかわらず、また病変に関連するかどうかにかかわらず、記憶を訴えるTLE患者に広く行うべきであり、




また患者が訴える記憶障害の背景にはルーチン検査では捕まらない記憶障害が潜んでいる可能性がある。ということになります。






記憶障害に応じてTLEの病名分類を再考することも今後検討が必要だろうと論じていました。




Reference
Neurology Feb 2022, 98 (8) e818-e828; DOI: 10.1212/WNL.0000000000013212




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むかし頭をぶつけたことはてんかんに関係ありますか?

外来で「小さい時にベットから落ちて頭をぶつけたんですが、関係があるんでしょうか?」という質問をよく受けます。





頭部外傷は、様々な脳疾患のリスク因子です。例えばALSやアルツハイマー病などの変性疾患でも知られています。





てんかんについては、脳挫傷など脳に器質的な障害を呈した場合はもちろんてんかん発症のリスクとなります。
ですが器質的な障害のない頭部外傷もたくさんあります。軽度から重度まで含めた頭部外傷の将来のてんかんのリスクはどうなのでしょうか?







今回の論文では65歳以上を対象(8872名)に過去の頭部外傷とその後のてんかん発症との関連性をレセプトデータ等のビッグデータを用いて検証しています。



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頭部外傷は、少なくとも頭蓋骨や顔面などの骨折を呈したもの、としているようです。重症度としては、意識障害の有無や、頭蓋内出血の有無などで細かく評価され、軽度、中等度、重度で分類されています。






結論を先に述べますと
「頭部外傷は軽度であっても、将来のてんかん発症のリスクになる」ようです。また、外傷の重症度が高まればリスクはさらに増大し、また頭部外傷の回数が増えるほどリスクが増大することも示されています。





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なお頭部外傷のデータの抽出はデータベースからの抽出に加えて、自己申告での質問(医師・病院の治療を必要とする頭部外傷の経験、意識消失、頭部外傷の経験回数、頭部外傷を受けた年など)データを用いたようです。






主な結果:
将来のてんかんのリスクとしてのはハザード比(HR)は、交絡因子で調整後

・全体:HR 1.88(95%信頼区間[CI]1.44-2.43)
・頭部外傷の既往が1回の場合:HR 1.37,95% CI 1.01-1.88
・2回以上の場合:HR 3.55,95% CI 2.51-5.02
・軽度外傷:HR 2.53,95% CI 1.83-3.49(頭部外傷なしと比べて)
・中度/重度の外傷: HR 4.90,95% CI 3.15-7.64 (頭部外傷なしと比べて)







なお頭部外傷を受けた時期については
・高齢で受けた頭部外傷(67歳以上:HR 4.01、95%CI 2.91-5.54)は有意だったものの
・若年で受けた頭部外傷(67歳未満:HR 0.98、95%CI 0.68-1.41)は有意でなかった






ようです。高齢者での頭部外傷は硬膜下血腫など、短期的には注意が必要ですが、中長期的にはてんかんの発症リスクにも注視する必要がありそうです。外傷を避けるに越したことはありませんが。







まとめ:
高齢者となって発症するてんかんのリスク増加は頭部外傷と関連していることが示され、そのリスクは頭部外傷の回数が多いほど、また重度になるほど増大することが示されていいます。








Reference:
Neurology Feb 2022, 98 (8) e808-e817; DOI:10.1212/WNL.0000000000013214








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